こんにちは。
ありんこ35です。
今回は、今後やってくるであろう「空飛ぶくるま」について、知っておきたい現在までの流れと未来を書きたいと思います。
「eVTOL(イーブイトール)」とは?
今回のキーワード「eVTOL(イーブイトール)」とは、垂直に離着陸ができる電動機体のことを言います。
今までは空を飛ぶ機体といえば飛行機など助走をつけて飛ぶものが主流でしたよね。
今回注目されているeVTOLは離着陸時に大掛かりな助走が必要でしたが、それも必要ありません。
まぁ、ドローンをイメージして頂ければわかりやすいでしょうか。
以下では、今後の取り組みを紹介したいと思います。
空飛ぶクルマ「eVTOL」の実現へ
eVTOLはすでに実現化に向けて進められています。
国土交通省の「空の移動革命に向けたロードマップ」によれば、以下の流れで2023年には実用化が進んでいくと予想されています。
①2019年~ 実証実験の開始
②2023年~ 事業化スタート
③2030年~ 事業化拡大
参考:国土交通省「空飛ぶクルマについて 空の移動革命に向けたロードマップ」
2019年~実証実験の開始
実証実験は以下の通りです。
- ヘリコプターやドローンを利活用している事業者が、eVTOLを用いたビジネスモデルを実用化協議会に提出
- 事業者の提案や既存事業のフィードバックから、利用者の利便性確保に向けた課題を実用化協議会で検討
- 機体の安全性の確保、事業実施に必要な制度整備について実用化協議会で検討
- 試験飛行のための場所、空域を整備
- 民間企業と協議会が協力し、試作機を開発
尚、試作機といえど、飛行機と同レベルの安全性や静粛性の確保を目指して開発されます。
2023年~事業化スタート
2023年を目標に、事業化を推進していくことが計画されています。まずは新たなビジネスモデルに応じた運送事業関連の法制度の見直しが実施され、法施行後の事業開始となるでしょう。
物や人の移動手段へ
まずは物の移動から事業化を開始することが予定されております。その後、地方での人の移動、最後に都市部での人の移動に用いられる計画のようです。
観光地やテーマパークなどで空飛ぶクルマツアーがあったらぜひ参加してみたいですね。
2030年~事業化拡大
2030年以降を目途に、事業化拡大が計画されています。災害対応やエンターテインメントだけでなく、都市部の移動手段としての利用も実現するでしょう。
しかし、事業化が拡大するにつれ、衝突などのリスクも増えると想定されます。航続距離の向上や静粛性の向上といった機能面だけでなく、運行管理やより高度な自動操縦の実現も必要になるでしょう。
eVTOLのメリット
eVTOLの特徴(垂直離着陸、騒音が少ない、自動操縦可能)は、優れたメリットを生み出します。主なメリットとしては、以下4つが挙げられるでしょう。
- 環境にやさしい省エネ、クリーンエネルギー
- 移動手段の多様化
- 物流手段としても活用できる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
1.環境にやさしい省エネ、クリーンエネルギー
eVTOLは自動車やバイク、自転車のように道路の上を走らず、障害物のない空中で目的地まで直線的に移動することも可能です。移動時間を短縮や移動に必要なエネルギーを抑えることが可能となります。
また電気で動くため二酸化炭素を排出しにくいという条件も満たしてくれそうです。
2.移動手段が多様化する
移動手段のひとつとしてeVTOLが利用できれば、移動方法の多様化が実現されます。道路の渋滞が緩和される、交通事故が減る、速さや料金など、そのときに応じた移動手段が選べるといったメリットも派生するでしょう。
eVTOLであれば滑走路が必要ないため、狭小地でも離着陸が可能という特徴から、eVTOLは離着陸の場所を確保しにくい被災地の支援にも利用できます。陸路から調達できない場所などへ、迅速に物資を届けることができる可能性が高まります。
3.物流手段として実用化
eVTOLは物流の手段としても検討されています。
インターネットで購入した商品やウーバーイーツなど、eVTOLで配送拠点まで自動で運ぶことができれば、スピーディな配送が可能になるだけでなく、運送業界の人手不足解消にも繋がる可能性が秘められています。
eVTOLの課題
ここまでの話はメリット中心だったので、これからの課題をとして次の4つを考える必要があります。
- 安全性と空中での運送経路の整備
- 航空法の改正
- バッテリー技術の向上
安全性と空中での運送経路の整備
空中かつ自動運転という点に不安を覚える人もまだ多いと考えられます。安全性を実現することは、実用化に不可欠なポイントでしょう。また、軽量化することも、エネルギー効率を高めるために欠かせないポイントです。
また、eVTOLが空を飛び回るようになると、機器同士の衝突事故が起こる可能性があるため、空中での運用方法を確立し、安全性の高い飛行を実現する必要があるでしょう。
もちろんバードストライクを防ぐ対策も重要ですよね^^;
航空法の改正
数年前、ドローンによる事故が頻発したことで、航空法の規制になりましたよね。
eVTOLも同様に航空法の規制対象になるでしょう。ただし、現在ドローンは都市や公道の上を飛ばせないという条件がついていますので、これがそのままeVTOLに適用されると、eVTOLのメリットが最大限活かせない状態となる可能性も考えられます。
安全第一であるのが必須ですが、eVTOLの特性を反映した航空法の改正も必要です。
バッテリー技術の向上
直近の世界情勢からも電気をエネルギーとした自動車へシフトしています。もちろんeVTOLも動力は電気となるため、長距離飛行などの長時間の稼働を実現するためにはバッテリー技術の向上が求められます。空中に浮かせるため、バッテリー自体の重量もかなり重要になってくるのではないのでしょうか。
大容量かつ小型のバッテリーの開発は、eVTOL実用化に不可欠な課題の一つとなるでしょう。
最後に、、、
近い将来、移動手段としてeVTOLを選択できるようになるかもしれません。また、法律や研究、技術開発関連の業界に携わっている方であれば、何らかの形でeVTOLと関わる可能性もあります。ぜひ新技術についても興味を持ち、教養として身につけておくと役に立つケースがあるでしょう。
いかがでしたか?
2030年に向けて新しいビジネスチャンスなどありそうですね!
ではまた!